経済の数字というと、年率で公表されることが多い。
○ 年率?
私がいま、例えば高速道路で、時速50キロで自動車を運転している。私の向かう先が50キロ先にあるとすれば、1時間でそこにつく。しかしつくかどうか、それはどうでもよい。このように計算して示しているのは自動車のスピードメーター。この状態で1時間ずうっと運転し続ければ、50キロ先の目的地に着くというにすぎない。
時速何キロというのは、相対的なスピードを語るのに使われるようだ。同じ事が経済の数字にも存在する。
どれだけ経済が成長するか比較するときの、ふつうの仕方は年率のかたちで経済活動における変化を測ろうとするものだ。
例えば、自動車の販売高は、先月、年率で1000万台売れたと政府が発表したとしよう。このことは、当然のことながら、先月、1000万台の自動車が売れたということを意味してはいない。
先月のペースで、12か月間の、それも各月に、販売が維持され続ければ、どれほど売れるかということを指しているにすぎない。
なんでこんな示し方をするのか、けしからん、とお思いですか?
理由は単純。専門家が、年間を基準に経済のパフォーマンスを見るのが簡単にできるから。
そういわれてみれば、数字を年率でみるというやり方は難しくない。
月の数字を年間に変えたければ、12を掛るだけ。
二か月間のデータがあれば、そうそう、6倍する。
GDPなんかが発表されるときは四半期毎、そういう場合は、三か月間のデータを4倍する。
だから年率で、経済の数字が示されたら、そのペースが12か月間フルに維持されたら起こることを、その数字が示していると考えればよいわけ。高速道路の自動車の運転と変わらないわけだ。
ばかばかしくも簡単な話ではあった。
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